遺伝子検査について

遺伝子診断は原発性免疫不全症患者の診断、治療法の選択に重要な役割をはたします。International Union of Immunological Societies(IUIS)の国際分類では、2017年の時点で322、2019年には386もの原発性免疫不全症の責任遺伝子が同定されており、今後もその数は増加することが予想されます。

一方で、これらの責任遺伝子の中には、世界で数家系が報告されるのみのものも含まれています。そのような遺伝子は、同定されたレアバリアントの病的意義の解釈が困難な可能性が危惧されます。患者数の比較的多い責任遺伝子においても、変異の意義が明らかでない場合もあります。遺伝子変異の正確な判断は、臨床に直結する重要な課題であり、臨床症状との妥当性を勘案して判断する必要があります。

そこでJSIADは、IUIS分類に基づいて、原発性免疫不全症の責任遺伝子として診断に有用と考えられる学会推奨のリスト(1)を作成しました。臨床的有用性・妥当性の観点から、遺伝学的検査として推奨される遺伝子を臨床病型ごとにパネルにまとめています。一方、IUIS分類(2)に掲載された遺伝子の中から、HGMDデータベースにおける変異の掲載数が5未満で、かつ日本人で同定されていない遺伝子群は、本リストから外していますが、指定難病の診断基準(3)に記載されている責任遺伝子は、一部の例外を除いて含んでいます。これらの遺伝子はかずさDNA検査室で保険診療として検査が可能です。

今後も、IUIS国際分類、診断基準の改訂や、変異頻度およびその病的意義に基づいてリストの更新を定期的に行う予定です。

パネルの選択などご不明な点がありましたらJSIADまでお問い合わせ下さい。

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